〈ムチウチへの施術〉
ムチウチについては1~2時間の施術で変化を実感されるかたが多いです。自覚症状が複雑であっても、ケガそのものはシンプルな場合が多く、比較的改善しやすいのです。
ムチウチのしくみ ~追突事故の場合~
ムチウチの起こり方を、〈追突事故〉を例に説明します。
まずはモデル図で考えます。
3つの球をまっすぐくっつけて並べます。いちばん後ろの球に別の球をぶつけると、後ろ・真ん中の球は動かずに前の球が押し出されて動きます。衝撃が、くっついたところを通して前の球に伝わるのです。

追突事故の場合も同じで、追突されるのは車本体ですが、その衝撃は、座面を通しておしり・太もも周辺に伝わります。つまり、追突事故の〈患部〉は、座面に当たっているおしり・太もも後面なのです。

ですが追突事故によって起こる主な症状は、頭痛・吐き気・肩こり・めまい・腕のしびれなど、頭・首・肩まわりに出てきます。そのことをもって、〈追突された瞬間に首が大きく振れるから、傷めているのは首〉と説明されることがありますが、私は違うと確信しています。
頭・首・肩まわりに症状が出るのは、〈患部〉であるおしり・太ももをかばって、頭・首・肩まわりの筋肉が異常に緊張するからです。頭・首・肩まわりを実際に傷めているわけではありません。
ムチウチの施術
いわゆる〈ムチウチ〉的な状態が起こるのは、追突事故に限りません。大まかに言うと、頭~おしりにつながる背骨の一部を傷めることで、傷めていない別の部分に症状が出るものを私は〈ムチウチ〉的、と理解しています。
その後遺症状は、大きく3つに分けられます。
1. 〈患部〉は頭。症状は下半身に出る。
2. 〈患部〉は腰・おしり。症状は上半身に出る。←←追突事故・尻もちの後遺症状はこれ。
3. 〈患部〉は背中の真ん中。症状は全身の広い範囲に出るか、受傷したのが幼少期であれば、体質を弱める。
車の追突事故や尻もちは2に含まれます。自覚症状は首・肩・頭など上半身に出ますが、実際に傷ついているのは腰・おしりです。ですから症状を根本から改善するためには、腰・おしりに施術する必要があります。
3は、幼少時に転落した・車にはねられて飛ばされた、あるいは体操競技中の事故などに見られます。全身を強く打っている場合が多く、当然、影響も全身に及びます。非常に身体の弱った、いわゆる虚弱体質になっている場合が多いです。
1は、立ち上がった拍子に頭をぶつけた・ボールが飛んできて当たったといったケガによって起こりますが、私が扱えるのは比較的状態の軽いものです。
どのタイプのムチウチであっても施術は、カサブタのあるところ、〈患部=実際に傷ついた部分〉にしていきます
(カサブタ、当院の施術についてはこちらをどうぞ)。症状が出ている部分に施術をすると、一時的に軽快することはあっても効果が長続きしなかったり、場合によっては悪化することもあります。とくに牽引は禁忌だと私は考えます。ムチウチは、施術が適切にできると、症状はわりにあっさり軽快します。