のぞみ整体院
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太極拳 2

090223 体側(横方向)のストレッチと首の骨

 今回、太極拳教室で習ったのは、ある動作の中に含まれる「身体を右側凸の“く”の字に曲げて、そこからさらにもう一押し、左腰を折り込む」という要素です。

 「“く”の字に曲げる」までの要素は、以前から習い知っていた動きと同じです。問題は、新しく加わった「そこからさらにもう一押し」の部分です。この感じが、どうもうまくつかめません。
 正しくは「“く”の字に曲げて→もう一押し」と滑らかに動くはずなのですが、私がすると「“く”の字に曲げる+もう一押し折り込む」のようにぎこちなくなります。
 何度やってもうまくいかないので、例によって、「“く”の字に曲げて→もう一押し」と口のなかでブツブツ言いながらくりかえし動き、その日の練習を終えました。

 翌日。
 筋肉痛は出ませんでしたが、意外にも首の右側に気になる感じが出てきました。具体的に言うと、7つある首の骨の1番上と2番目の骨です。

 「足に問題があるのかなあ…」と思っていた私の予想は大ハズレでしたが、これはなかなかおもしろいところの問題が見つかりました。
 首の骨の1番目と2番目はちょっと特殊な構造になっていて、2つ1組ではたらきます。じかに頭を支える骨としても、顎関節(がくかんせつ。あごの関節です。)に近い位置の骨としても、とても重要な骨といえます。

 早速、首の骨と筋にごそごそ施術していると、今度は右手の親指が気になり始めました。そこで親指にも施術してから昨日の動きを試してみると、昨日よりは幾分スムーズに動けます。
 「なるほど。右首にあった問題が右腰を緊張させていたから、右側凸の“く”の字(=右半身をストレッチする状態)には動きにくかったのだな」と納得し、ひとまず施術を終えました。
 今度の練習での変化が楽しみです。


090310 タントウ功の目的

 タントウ功は、太極拳業界(に限らないかも?)ではとっても有名なトレーニング方法のひとつです(タンは「站」、トウは「木偏に庄」と書きます。ここでは、トウの字が変換できないので不細工ですがカタカナで書きます)

 どんなトレーニングかというと、まず両足は適当に開いて腰を落とし、両手で大きなたらいを抱えるように円を作ります。イメージとしては、「一抱えもある大きな木を引っこ抜こうと木に抱きついた瞬間」のような姿勢です。そしてこのままの姿勢で静止し続けるのが、タントウ功というトレーニングです。

 「え? 動かずに立っているだけ?」と言われるとその通りですが、これが実にきつい
 昔なにかの映画(『ワンス・アポン・タイム・イン・チャイナ』?)で、いたずらをした罰に3時間(くらい?)タントウ功をさせられる人が出ていました。私はそれを見て、微妙にズレた感動が湧き上がった記憶があります。
 主役には程遠い端役の、しかも劇中ではやや怠け者というかお調子者の彼でさえ、1時間以上のタントウ功ができるとは! 衝撃でした。あんなことさせられたら私は死んでしまいます。というかそれ以前に絶対できません。ちなみに私の限界は5分(!)です。




 そんなハードなトレーニング方法ですが、私の通っている太極拳のクラスでは、毎回5分(未満)、タントウ功をおこないます。
 初めて参加した当初は、私はまったく姿勢が保てず、そわそわそわそわしていました。けれど身体の状態が改善するにつれ、それなりに耐えられるようになり、今では結構おもしろくさえなってきました。
 というのも「タントウ功は、単純に足(と丹田(たんでん))を鍛えるだけのものではない」ということが感覚的に分かってきたからです。

 現時点で私に分かるタントウ功の目的は3つ――
  1. 負荷のかかりやすい立ち方をすることで、丹田を積極的に強化し、そのはたらきを意識しやすくする。
  2. 動作の中心を丹田に置くことで、それ以外の全身の筋をまんべんなく脱力(あるいは収縮)させる。
  3. 手足の連関(菱形筋―大腰筋の連関)を意識させる。
です。
 1は「筋トレ的タントウ功」で、筋トレ嫌いの私にははっきり言って苦痛そのものです。おもしろいのは2と3です。2と3、なんてふたつに分けましたが、内容的には同じことです。

 手足の動き(筋収縮)を極限までなくせば、力は胴体部分(体幹)に集中します。そして胴体部分には、「背骨と手」「背骨と足」をつなぐ「根っこ」の筋肉が集まっています。
 3に挙げた菱形筋(りょうけいきん)大腰筋(だいようきん)がその根っこの最たるもので、それぞれ「背骨と手」「背骨と足」をつなぐいちばん大きな筋に当たります。

 タントウ功がピタッと極まると、その大腰筋と菱形筋が絶妙のバランスで釣り合いを取っているのが感じられます。それが私のおもしろさのツボです。

 そうか。タントウ功の目的はきっと、「手足の部分をまんべんなく脱力し、背骨と手、背骨と足、手と足のつながりを意識しろ!」ってことなんだわ、と、先日からの私は大発見をした気分で大喜びでした。
 が、よくよく考えてみれば先生が最初からずっとおっしゃっていた、「じっと立ってるだけじゃなく、身体のはたらきや変化を感じ取りなさい」というのがこのことだったのかもしれません。――大発見どころか、単に物分りが悪かっただけ、なのかも。


090315 反り腰と私

 先日の太極拳教室では、引き続きタントウ功(090310)(とその類似動作)が課題になりました。
 私はどうも、「おしりを巻き込む」と表現される動きが苦手です。「おしりを巻き込む」というのは、犬で言えば、極限までしっぽを股間に巻き込んだ状態、人で言えば、腰を軽く(深くても良いですが)落とすときに尾底骨をぐぐっと前に引き寄せておく状態を指します。
 この「尾底骨をぐぐっと前に」の感覚が、私にはよく分からないのです。

 実は、いまを遡ること数年前まで、私は筋金入りの「反り腰」の持ち主でした。カイロプラクティックの学生だった頃には「悪い姿勢の見本」として呼び出され、ぼーっと突っ立つ私の背中をみんなが触っていく、(そして「おおっすげぇ、反ってる!」と口々に感心される)というちっとも嬉しくない経験もしています。
 その後、施術がうまくいったおかげでずいぶん反りも弱まり、最近は「人並みよりちょっと悪いくらい」の姿勢になっています。とはいえ「腰が反る=尾底骨が後ろに跳ねる」なので、反り腰代表の私に、その正反対の動きである「おしりを巻き込む=尾底骨を前に引き寄せる」が苦手なのも無理はない、といえます。




 そこで今回は、反り腰対策として、右の腸骨筋(ちょうこつきん)を集中的に施術してみました。
 腸骨筋は骨盤の内側にあって、大腰筋のトモダチのような筋肉です。
 大部分がおなかの中にある大腰筋への施術もおもしろいものですが、骨盤の内側にある腸骨筋への施術もまた不思議なものです。

 筋の位置から考えると、どうやっても直接施術できているはずがないのに、明らかに状態が変わります。きっと腹膜(腹の中を仕切る膜)やら皮膚やらの状態が、おなかの中の筋に影響するんだろうなあ……、と勝手に妄想しています。

 腸骨筋の状態が改善すると、早速タントウ功の様子が変わりました。「おしりを巻き込む」感覚はまだちょっと分かりませんが、もうひとつの苦手項目「足の裏全体に体重を乗せる」の感覚は、はっきり感じられています。
 翌日になると、さらに肋骨にも施術ができました。ちょっと、良い調子です。


090319 体重の左右移動

 今回の太極拳教室では、「体重の左右移動」が目玉でした。

 私のイメージでは、太極拳で要求される体重移動はまさに「油圧ジャッキで荷物を持ち上げるときの感じ」そのままです(言うまでもなく、足がジャッキ、自分の体重が荷物です)
 右足に乗せた体重を、右足というジャッキを使って持ち上げ、そのまま左足に移す。左足に乗った体重を右足に移す場合はその逆をする。どちらの場合も、常に足の踏ん張りをはたらかせ、「ひょいと身軽く動く」瞬間を存在させない。

 この原則――体重は、右のジャッキで左に移し、左のジャッキで右に移す――を守るためには、右と左のジャッキが同じ長さになっていることが前提です。
 左のジャッキは50センチ、体重を運べるけれど、右のジャッキは30センチしか体重を運べない、なんてことになれば、身体は真ん中に戻れません。




 ところで私は、まだ小さい頃に寝返りを打って、子供用ベッドから落ちたことがあります。落ちたのは、おそらく右半身からだったらしく、骨とか筋肉の左右差が割に大きくなっています。
 自分で調べてみた感じでは、骨の大きさにそれほど差は見られません。が、関節の具合とか筋緊張の程度とかは明らかに違っていて、おそらくその加減もあって、左足より右足が短く感じられます。
 ここでの関連で言うと、右側のジャッキがちょっと短いわけです。




 そんな状態ですから、案の定、体重はうまく左足に乗りきりません。おもしろいくらい正確に、真ん中やや左寄りの位置で、動きがぴたっと止まります。何度試しても同じです。
 正しい姿勢で動こうとすると、測ったように同じ位置で動きが止まり、それ以上体重を左に運べない。こうなった場合、訓練とか練習で動きを改善することは不可能です。
 仕方がないので、その的確なダメっぷりに感心だけして、その日の教室を終えました。

 その夜、帰宅してから調べてみると、右スネ前面から足の親趾にかけて、いくつか問題が見つかりました。その辺りに施術してからもう一度「体重の左右移動」を試してみると、少なくとも教室で動いたときよりは、スムーズに体重を運ぶことができました。まだまだ先は、長そうですが。


090330 ケガと筋トレについての素朴なギモン

 WBC、プロ野球、高校野球、相撲、スケート、マラソン、サッカー、……。春の訪れとともに、新聞のスポーツ欄がにぎやかになってきました。それにつれて気になるのが、「ケガの選手が多いなあ」ということです。

 仕事が仕事な上にまた、私のしている整体はとくに「ケガの後遺症」を重視します。子どものときの古傷(たとえば骨折)が、大人になってさまざまな症状(たとえば肩こり)を引き起こす――そういう様子をふだんから目の当たりにしているので、私は、骨折はもちろん、ちょっとした(?!)ムチウチや筋断裂・肉離れ、かんたんな(といわれる)手術に対しても、人よりずっと神経質に反応してしまいます。
 だからよけいに気になるのかもしれませんが、毎日のように現れるケガや手術の記事を見ると、とっても心配になります。




 選手にとっては「大事な練習」、けれど私から見ると「不安な練習」。その最たるものが実は、筋トレ筋力トレーニングだったりします。
 なかでも特に不安なのが、専用器具を使ったマシントレーニングです。

 マシントレーニングのいちばんの目的は、弱い筋をピンポイント(直接的・限定的)に鍛えて強くすること、と私は理解しています。
 でも本当にその効果は確かなんでしょうか。疑問点を具体的に言えば、 ――と、いった具合です。




 私は以前、あるスポーツ選手から、「筋トレをすると、重量が増えて当たり(ボディ・コンタクト)には強くなりました。でも、自分のもともとの持ち味だったスピードは鈍ったように感じます。そしてそのせいか、ケガしやすくなったようにも思います」と伺ったことがあります。

 もしも人の身体に、それぞれ“得意分野”(スピード、力強さ、忍耐力、などなど)があるのなら、そしてその“得意分野”がその人のその身体なりの個性であるのなら、その傾向は変えないまま全体を強く鍛えるほうが、ケガは減るのではないだろうか?――と、私は思います。


090414 「アンタの太極拳は暗い!」

 今回の太極拳教室は、割合ちまちました動きの続くところが中心でした。
 もちろん、「ちまちま」とは言ってもそこは太極拳。正しい動き方は、どんな動きも全身で、身体の芯から動くが基本です。手先だけコチョコチョ動かすのではなく、全身でつくる動きが手先のコチョコチョに現れる、――言ってみれば「腹から出すひそひそ声」みたいに動く、といった感じでしょうか(……?)

 例によって例のごとく、私は教室の片隅で「ああかしら、こうかしら」と一人でちまちま動いていました。とそこへ投げかけられたのが、先生からのひとこと、「アンタの太極拳は暗い!」。
 あまりといえばあまりの言われように思わず吹き出しながら「それはひどい言われ様ですわ!」と抗議すると、「だってアンタのはこうよ」とご丁寧にモノマネ付きで、「頭が前かがみになっている」と言われました。

 なるほど、と飲み込んでから「正しくはこうですか?」とおおげさに首を伸ばして動いてみると、「まあ、そう」とのこと。なので、残りの時間はずっと、首に意識を集中! で過ごしました。




 翌日。
 右首から右背中にかけて、小さい筋肉が多数、こわばっているのが分かりました。目立った筋肉痛はありません。

 そわそわする感覚にしたがって施術を進めると、右肩甲骨周囲、首の骨、肋骨の奥(たぶん横隔膜)と、ずいぶん広範囲に施術できます。その後もずるずる芋づる式に範囲が広がり、最終的に、頭の皮・顔の皮(つらの皮!)まで整体できました(皮、といっても正しくは腱膜と筋だと思いますが)

 今回の施術結果から考えたことを簡単にまとめておくと、

筋の状態が悪く、肩甲骨を下に引き下げておくことができない
⇒上側の筋の緊張が強くなって、肩甲骨が上に引き上げられる
⇒背中が丸くなって首が縮こまる
⇒太極拳が暗くなる

となっていたようです。

 施術がうまくいってからは、自分でもかなり背筋がしゃんとしているのが分かります。よしよし、これできっと「暗い!」とは言われないだろう、と、今回は強気の1週間でした。


090425 「肩を下げる」は「脇を締める」ではない

 前回の太極拳教室では、長年の思い違いに気付くことができました。




 太極拳を始めたばかりの頃(から実は今もずっと)、「腕を大きく動かすとそれにつられて肩が上がる」というのが私の癖でした。これは整体屋的に言い直すと、「肩を上げなければ、腕を大きく動かすことができない」ということになります。

 私が自然に動くと、腕を振りまわす度にピコピコ肩が上がります。当然ながら、何度も注意されます。けれどこのピコピコは、私なりの自然な動きです。腕を動かした瞬間、まったく無意識のうちにもう肩は上がってしまっているので、どのタイミングで何をどう直せば良いのかも、よく分かりません(なんせ“癖”です。知らず知らずのうちにそうなっているのです)

 「肩を上げずに動かす…?」とぶつぶつ言いながら、ああかしら、こうかしらと動くうち、当時の私は気付きました。
 どうやら、腕を動かす直前、意識的に脇を締めればあまり肩は上がらないようなのです。ということは、肩を上げるな=脇を締めろ、ということなのかも?
 ――してはならない、“勘違い学習”をしてしまったようです。




 この数年越しの勘違いが、先日の教室でようやく、解けました。太極拳は(というか人体は)、左右の手のはたらきを背骨でバランスします。ですから脇を締めてしまうと、両手のはたらきが背骨まで届きません。
 「肩を上げてはいけない、でも脇を締めてもいけない」というのが正解だったことに、やっっっと気付くことができました。そしてやっぱりいまの私は、肩がピコピコ上がります(……)


090531 こむらがえりになる

 ある夜、ふと思いついて駅からの帰り道を走ってみ、ものの10歩も走らないうちに、右ふくらはぎがこむらがえりになりました(……)

 たったったっ、と小気味よく地面を蹴っていると、右爪先が跳ねる度にびしっ、びしっと筋肉が痙攣するのが分かります。「お、お、つるつる」と思いながら、ちょっと面白いのでそのまま続行。
 すると、とうとう自宅に着くまでの5分かそこら、私の右足はずっと、たったったっ、びしっびしっ、を維持し続けました。

 動けなくなるほどつるでもなく、かといって途中で治まるでもなく、同じ調子でびしっびしっ、を繰り返すことに感慨を覚えながら、家に到着。ひとまずゼーゼーいう息を整えて、お茶の一杯も飲んで落ち着いてから、早速ふくらはぎを調べます。
 予想どおり、右ふくらはぎが見事に熱を持っていました。
 「どんな施術ができるだろう」とわくわくしながら検査をしてみると、案の定、問題があるのはふくらはぎではなくスネ、つまり下腿(膝から足首の範囲)の後ろ側ではなく前側でした。




 単純に言うと下腿の筋は、真ん中の骨を軸にして、前面−後面でバランスしています。
 お互いの釣り合いがちゃんと取れていると、調子が良いシーソーのように伸びたり縮んだりをくりかえすことができます。けれど釣り合いが取れていない場合はそれがうまくいきません。
 あたかもお相撲さんと子どもが座るシーソーのように、一方の筋は縮んだまま、もう一方の筋は伸びたまま、の状態に近付きます。

 この、筋バランスの不釣り合いな状態が、こむらがえりの原因です。

 2、3日の間、暇を見つけてはちょこちょこ右スネに施術をしたお陰で、スネの状態(というか手触り)はずいぶん改善しました。こむらがえりになった以前より、よほどしっかりしています。これできっと、不意に走り出してこむらがえりになるような、情けないことにはならないでしょう、たぶん。




〜おまけ??〜

 今回のこむらがえりでは、おもしろいことがありました。
 こむらがえりの性質上、右ふくらはぎの痛みは2、3日続きます。私の場合、帰宅直後から翌日にかけて、しゃんと立って歩くことができませんでした(仕方がないので、膝と腰を曲げてよろよろしつつガシーンガシーンと歩く、一昔前のロボット式の歩き方をしていました)

 おもしろかったのは、こむらがえり2日目の夜にあった太極拳教室でのことです。

 家の中ではよろよろガシーンガシーンと動いていて、トイレに行くのも億劫でした。この状態で太極拳に行って、動けるんだろうか、という状態です。
 行くかどうか迷ったあげく、「よろよろならよろよろで、それもまたおもしろいか」と気を取り直して(開き直って)教室に行くことにしました。

 道中は、「だいぶがんばってるけど結構よろよろ」です。
 ところが太極拳の動きを始めると、まったく痛みなく(!)動け、絶対ムリだろうと覚悟していたタントウ功さえ、ストンと立っていられるのです!(先生からは「もっと姿勢を低くしなさい!」と叱られましたが。)

 「極力、筋バランスを崩さずに動くこと」が求められる太極拳では、型の通りに動こうとするだけで、体重のかかり方・支え方が違ってくるようです。
 「おもしろい!」と一人感動し、帰路に着き、そしてお約束のように電車を下りてから自転車までの道のりは、再びよろよろ状態に戻っていました……。


090802 太極拳と噛み合わせ

 太極拳新教室、参加2回目の翌朝のことです。歯の噛み合わせが変わっていることに気付きました。
 朝起きたら、(もともとゴチャゴチャな私の歯並びのなかでもとくに)奥まった右上の歯の感触が、微妙にヘンなのです。
 もちろん、鏡で見て分かるほど歯並びが変わっているわけではありません。が、噛みしめたときの感じが、いつもとは明らかに違うのです。

 気持ち悪い歯をコツコツ噛みながら、「そういえばつい最近も、朝起きたら噛み合わせが変わっていたな……」と思い出し、記憶をたどると、それが先週の朝、つまり太極拳教室1回目の翌朝だったと気付きました。

 全身汗だくになるとはいえ、しているのは太極拳の練習です。極端な力仕事・苦行をしたわけでなし、歯を食いしばっていた意識はまったくありません。
 だからなおさら、「じっくりまったり身体を動かす」ことと「噛み合わせの変化」との間に、どんな関係があるのかが、知りたくなりました。

 そこで3回目の教室は、行く前に、口・あご周りの筋肉と骨(上下のあごの骨、顎関節など)、そして、(解剖学の教科書を見ながら思いついたので)歯の間にもあるらしい中隔のあたりにごそごそ施術してから参加することにしました。
 あご周りの状態を整えることで、噛み合わせが変化するかしないかを調べてみよう、という肚積もりです。




 翌朝の結果は――、
 噛み合わせには目立った変化はなく、ふだんと同じ感触でした。

 この結果は成功なの? と聞かれると、それは私にもよく分かりません。
 が、とりあえず、来週もう一度教室に行って、翌朝噛み合わせを確認し、それで再び変化が見つからなければ、「じっくりまったり身体を動かす」ことと「噛み合わせの変化」との間には、なんらかの関係があった、かもしれない――と結論付けることにします。

 我ながら、何をしているのか何をしたいのか、よく分からない実験でした。単純に変化を観察している分には、おもしろい実験でしたが。


090809 太極拳と噛み合わせ、の追加報告

 4回目の教室翌日も、噛み合わせに目立った変化はありませんでした。

 というか、この実験にはいったい何の意味があったんでしょう??
 自分でもとうとう、分からずじまいになりそうです。

 ただし、噛み合わせについては現在も施術は継続中です。
 今回の観察内容は明確で、「整体で歯並びは変わらないか」、「それに関連して視力は変化しないか」の2点を、かなりマジメに追跡しています。


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