のぞみ整体院
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整体・身体観 18

130609 久しぶりの大緊張

 非整体業の専門職でいらっしゃるB先生の仲立ちで、Pさんという方に施術する機会がいただけました。
 Pさんのことは、以前に2、3度お会いしたことがあって、知っていました。個人的に、なんだかとても気になっていた方でした。

 整体の仕事をしていると、「ああ! この人はなんとしても元気になってもらわねばならない!」と使命感を強烈にかき立てられる人に出会うことがあります。使命感の理由は私にもよく分かりません。相性なのか、何なのか。たいていの場合、気付けば既に「ああ!」となっていて、途中がありません。Pさんも、そんなひとりでした。


 施術時間は、とりあえずは2時間としました。主な症状は全身の痛みと不眠ですが、施術の焦点は、交通事故の後遺症にあります。
 取り掛かってみると、いちばんの問題は超・超強度のムチウチでした。

 超・超強度ではあるけれど、手術や骨折はされていません。あくまで単体のムチウチだけです。これなら、いけます。これなら私の得意科目。きっと立て直せます。
 予定では2時間だったところを1時間半で切りにして、ぐったり虚脱したPさんにはそれからしばらく休憩しておいてもらうことにして、施術は一段落としました。


 その後、ちょっと気力の回復したPさんの歩く姿を見て、「姿勢が落ち着いたねえ」とB先生は大喜び。表情が柔らかくなったPさんは、どっと疲れたご様子ながら「また受けたい」と言ってくれて、もちろん私は状態の変化に大満足で。三方一両損ならぬ三方二両得くらいの良い気分でした。


 帰阪すると、予想以上に私はくたくたでした。
 通常のお客さんでは、予約時の電話で声を聞き、来店されるとすぐ姿が見れて様子が聞けます。ところがPさんの場合は、声は聞いて姿は見ながら、事情の聞けない時間が長く続きました。いつもと、リズムが違ったわけです。そしてその間約1ヶ月、私はずっと、薄ぅい緊張を維持していました。これではさすがに疲れるはずです。

 ちなみに、Pさんのその後の様子はまだ聞けていません。おそらく、この1週間以内には状況が分かると思います。期待通りの結果を、心から願います。


130618 大緊張、落ち着く。

 6月9日(130609)の続報です。
 B先生にお聞きしたところ、Pさんの状態には明らかな改善というか展開が見られたとのことでした。
 電話で聞く限り、ムチウチへの施術としては、かなりの好結果といえそうです。私の緊張も、ようやく少し、解けました。


 ですが、全体が健康に立ち直っていくのには、それなりの段階が必要です。いっぺんに何もかも、は難しいことが多く、Pさんにも、次なる展開が訪れたそうです。


 すぱっと一気に立ち直れなかったPさんがおそらく感じておられるもどかしさを思うと、正直、申し訳ない気持ちになります。が、ここは敢えて、Pさんの時間が再び流れ始めたことを、私も喜びたいと思います。

 さらに時間が流れれば、やがては次の立ち直りが訪れます。どうか、それまでの展開が、Pさんの将来にとって意義深いものとなりますように。


130801 夏休み報告

 今年の夏休みは2部構成でした。

 第1部は九州への電車旅行。恒例の青春18きっぷで、それぞれ2日ずつかけて、大阪−九州間を往復してきました。
 ひたすら電車に乗りっぱなし、というと、何をしているの? と訊かれますが、朝から晩まで車窓の風景を眺めて、気が向いたら本を読んで、あとはひたすらうたた寝をする、というお決まりの時間を過ごします。毎度のことながら今回も、なんとも堪らん贅沢でした。




 第2部では、B先生のところにお邪魔してきました。今回は初の遅刻なし入室で、こちらも大満足。前回施術させてもらったPさん(130609と130618)にもお会いでき、様子を教えてもらうことができました。

 Pさんへの前回の施術では、距離と環境の都合上、作業を大急ぎで一段落させました。通常の、店に来られるお客さんであれば5時間くらいかけて取り組む仕事を、無茶を承知で2時間足らずで仕上げたような格好です。その結果、客観的には具合の良さそうなPさんの身体が、ご本人には至って使い勝手の悪い、戸惑うものになってしまったようです。

 仕方のないこととはいえ申し訳ないなあ、と思いつつ、それでもやっぱり仕方のないことなので、もうひと踏ん張り踏ん張って、現在の身体に馴染むよう、使い慣れるよう付き合ってみてください、とお願いしてきました。




 と、私の夏休みは、こんな感じに過ぎました。おかげさまで、とても充実した5日間でした。


130902 腰痛の見通し

 たまたま近い間隔で、PさんとQさんに施術する機会がありました。
 Pさんは、脊柱管狭窄症とヘルニアをお持ちで、症状は、腰と背中の痛みです。
 Qさんは、脊柱管狭窄症とすべり症をお持ちで、症状は、腰痛です。

 Qさんは、まだ1度みせてもらっただけですが、お腹の手術痕を立て直せばなんとかなるだろうな、という手応えがあります。

 Pさんの方は、以前から来てくれているお客さんで、前々回までの時点で、あちこちの施術はひととおり済んで、症状もかなり減ってきて、あと、残るは腰と背中の痛み、それにいくらかのしびれ――というところまで来ていました。
 ところがそこまで来たところで、施術の展開がやや停滞。この続きはどこをどうすれば良いのかなあ、と考えていたのでした。が、それが前回、肋骨のひびの痕にうまい施術ができて、一気に見通しが開けた気配です。




 脊柱管狭窄症とかヘルニアとかすべり症とか。名前はどれも仰々しいですが、整体屋の私から見るとみんな、結局は腰のこりが原因です。

 強すぎる腰の筋肉の緊張が、〈ア〉背骨の間を狭くする、〈イ〉椎間板をつぶす、〈ウ〉骨を位置をずらす。この3つのどれを起こしたか、というのが名前の違いです。もちろん一番の問題は、なぜ、そこまで加減をなくすほど、筋肉の緊張が強まったか、です。
 ですから施術でも、肝腎なのは腰をどうゆるめるか、そのためにどこをどう立て直せば良いか、その関連を読んでいくことになります。

 その意味で、PさんもQさんも、関連が読めたからにはもう大丈夫。後の施術は単純に、手数の問題、になるはずです。


130914 エビ串に到達!

 長さ9センチの、通常サイズより短めの竹串を探しになんば・道具屋筋に行ったところ、偶然、隣の棚に並ぶ「エビ串」なる商品が目に留まりました。
 へえ、こんなのがあるんだ。と、何気なく購入。
 が、早速使ってみると、これがとても、具合が良い!

 通常の、串カツ用の串よりさらにまだ細く、先端は鋭く、見た目はまさに凶器そのものといった迫力です。
 でも、1度手に馴染むと、これまでよりさらに軽い力で(というか強いと刺さる…)、より細かい施術ができて、なんとも素敵です。

 料理好きのお客さんによると、「エビが曲がらないように刺しておくためのもの」らしいですが、料理嫌いの私には、本来の詳しい用途は分かりません。
 しかし私の思い込み世界では、まさに今の私のためにこそ作られたような竹串。いよいよこれが、私の究極の道具になるのか? と嬉しい期待を抱いています。


131012 眠りの浅いお客さん

 今年の5月から来られているお客さんで、眠りの浅いのが悩みの種、という方(Pさん)がおられます。
 来院早々の開口一番、「私は30年近く、ぐっすり眠れた記憶がないんです!」とPさん。30年は長いなあ、とびっくりさせられつつ、「でも割合不眠って、施術しているうちに眠れるようになる人が多いんですよねぇ」と私が反論(?)すると、「前の店でもそう言われて、1年以上通いましたがでもダメだったんです、私のは、がんこなんです」。やんわり、きっぱり言われました。

 一般論として、整体と不眠は相性が良い実感があります。身体の問題が10あるとして、2とか3とかが改善できると、比較的眠れるようになってくる。眠れれば気力も体力もついてくる。そうすると活動量が増えるので、より積極的に施術が展開する。そんな印象です。
 症状によっては、10のうち7も8も改善しないと変化が実感できないこともありますので、眠れないものを眠れるようにする、あるいは眠りの浅いのを深くする、はそれほどの難題ではないと思っていました。

 が、Pさんは本当に大変でした。施術を進めるうち、10ある問題が2、3、4、と片付いていく手応えはあるのに、眠りだけは深くならないのです。相変わらず、うとうとするだけの浅い眠りでぐっすりにはならず、疲れはちっとも取れません。


 遠方から来られるためPさんの施術時間は1回2時間で、それを最初は週1回、途中から間隔は少し開きましたが、それでも月に2回は来られます。来られると問診から始めますので、「体調は?」「今までになく良いです。とてもよく動けています」。「眠りは?」「ダメ」。このやり取りをひたすら繰り返し、そのたびに、すいません〜〜ッと居たたまれない思いで施術してきたのですが、ようやく! 先日、「1晩と3時間、眠れました!」と報告いただけました。やっとのこと、おかげさまです。

 2週間のうち、ぐっすり眠れたのが1日と別の日の3時間だけ、なんて、まだまだしんどいことですが、それでもとにかく、変化ができました。このままこの流れを引き継いで、あと1、2回の施術で、毎日そこそこふつうに眠れてます、というところまで持っていけたらなあ、と期待しています。


 ちなみに、施術内容を書いておくと、この方はケガの多い方でして、初回から現在まで、している施術はひたすら、全身のケガ・手術の痕の立て直しです。眠りの転機になったのは、左手剥離骨折の痕への施術でした。やっぱり、どうも、手先・足先のケガは不眠につながりやすいようです。


131224 めまいと活動量

 先日来られたPさんはめまいと吐き気にお悩みでした。時によって重かったり軽かったりはあるけれど、ほぼ毎日、めまいと吐き気がある、というしんどい状態です。
 来店中も(、いくら狭い店内とはいえ)、置き場に荷物を置いたり、トイレに行ったり、ベッドに上ったり下りたり、と、してもらうべき移動はいくらかあります。それらがことごとく、ふらふらと危なっかしくて大変そうなのです。

 ずっとこんな調子じゃ参るだろうなあ……、と思いながら私はせっせと仕事をして、時間なりの手応えは得られたことを確認して、その日の施術を終えました。


 で、後日。
 次の予約のことで、ご家族の方からお電話をいただきました。そのときにお聞きした話では、「めまいと吐き気はまったく無くなっていないようだけれど、外から見ている限りでは、Pの活動量は増えているように思う」とのことでした。

 これは、とても大事な情報です。
 もしこれがその通りなら(というのも、本人の感じと周囲の人の評価は大抵、いくらかズレますので)、Pさん の場合、

めまい・吐き気→動けない

ではなく、

原因@→めまい・吐き気
原因A→動けなさ

がそれぞれ別々に起こっていたのかもしれない、と考えられるからです。そしてこの場合、原因@と原因Aは、同じもののことも違うもののこともあります。今回がどちらかはまだ分かりません。

 原因が1つか2つかはともかくとして、めまいと吐き気と動けなさについてのこの関係の在り方を押さえておくことは、とても大事なことです。
 ご家族の観察に感謝しつつ、次回の施術を楽しみにしています。


140119 追突事故とシートベルト

 追突事故によるムチウチは、背中〜おしり〜太ももの裏側を、座面および背もたれで強打することが原因です――というのが私の理解で、実際、追突事故絡みの症状は、大抵が、その辺への施術で改善します。
 なのでそれはそれで良いとして、このところ私が気になっているのは、シートベルトによる打ち身でできる癒着の位置、についてです。

 単純な理屈で考えると、運転席に座っていて追突事故に遭うと、右鎖骨と左股関節前面に癒着ができるはずです。なのに、なぜか私が関わったお客さん方(複数)では、左おしりに癒着ができています。
 え、おしり? 股関節の前側じゃなくて? どんなぶつかり方をしたらおしりにこんな極端な癒着ができるのだろう……?

 あれこれ想像してはみますが、これがよく分かりません。
 うーむ、なぜ前側に癒着ができないのだろう? としばらくモヤモヤしていると、ようやく、先日、とあるお客さんの股関節前面から私のイメージ通りの癒着が見つかりました。

 やっぱりなあ。やっぱり前側にできるよなあ。と一安心はしたものの、なぜ、前側に癒着のできる人と後ろ側に癒着のできる人とができるのかは、よく分かりません。
 オートマチック車とマニュアル車の違いだろうか、とか、ぶつかられたときの方向だろうか、とか、座席とペダルとの距離の具合だろうか、とか、想像をいろいろ膨らませても、「そうか!」と納得できるような答えには当たりません。

 まあ、別に答えが分からなくても施術はできるし、特に問題はないのですが、妙に気になります。
 いったい何が違うのでしょう……。


140129 太極拳、やめました。写経、始めました。

 少し前のことになりますが、去年の11月限定で、太極拳の練習を再開しました。お世話になったのは以前通っていた陳式の教室です。短期集中で習い込んで、忘れている套路(とうろ。一連の動きの型です)を思い出そう! そしてそれを朝の公園で練習しよう! というのが目的でした。

 陳式をやめてからの1年間は楊式の教室に通っていましたので、以前は憶えていたはずの陳式の套路は、すっかりおぼろになっています。所々、陳式と楊式がごちゃごちゃになっているところもあります(楊式は憶えていないのに!)。それをすっきり思い出して、1人で練習できるところまで持っていくぞ、というのが今回の野望でした。

 で、私なりに、かなり必死にがんばりました。が、ダメでした。
 親切な先生・先輩方に助けていただいて前半はなんとか動けるようになりましたが、途中からがどうにも混乱していけません。で、諦めました。




 で、諦めて、写経を始めました。
 とりあえず、高名な武術家には能書家が多い、らしい――ということは、武術と書道は身体の使い方が同じなんだろう、と単純に考えた結果です。

 小中学生の頃に習っていた先生を訪ねると、教室は閉められたそうです。他の先生に習うつもりはないので、仕方なく、本が先生代わりです。独学で続くかどうか、こちらもさっぱり分かりませんので、手近なお店で手頃な筆と紙を買って、古い道具を引っ張り出して、墨もすらずに墨汁を水で薄めて早速書き始めました。ちなみに、墨汁だけで書くのは、教室では許されなかった横着です(先生ごめんなさい)


 小学生の頃はまだしも、中学生になると途端に私は足のしびれが切れやすくなりました。習字教室でも、しびれたしびれたと言ってはサボってばかりいて、先生に叱られたものです。年をとったいまも、やっぱり足は同じ調子でしびれて、1行書いては痛い痛い、1行書いてはもうアカン、もう無理やわ、と休んでばかりいます。
 で、気付きました。――そうだ、痩せれば良いんだわ、ではなく。――足がしびれにくくなるように、施術すれば良いんだわ。

 1行書いて、足が充分しびれたら、そこですかさず検査を開始! ちゃちゃっと施術してしびれが取れたら、再び写経。また1行書いてしびれたら、ちゃちゃっと施術、それから写経。
 おもしろいのは、施術がうまくいくとたちまちしびれがなくなりますが、しくじると、却ってしびれがひどくなることです。ほほぉ、うまくできとるなあ、と感心しつつ、再び写経。

 ともあれ、そんなことを繰り返していると、そのうち、座り方が良い具合にだらしなくなってきました。形は一応正坐なのですが、こころもち膝が開いています。で、姿勢はそれなりにまっすぐなんだけど、体重が左に乗っているのが分かります。と、すかさずここで太極拳の理屈を持ち出して、習字には拗歩(アオブー。右手と右足ではなく、右手と左足を対で動かす仕方。)が向いているのかもしれんなあ、なんて。しばらくこれで遊んでみようと思います。


140208 お客さんからの追加情報(1/19の記事について)

 1月19日に書いた追突事故の記事について、お客さんからご意見をちょうだいしたので書いておきます。


 私が書いた記事は、「運転席で追突事故に遭った場合、癒着ができるのは左のおしり。シートベルトが当たるのは左の骨盤前側なのに、そこにはあまりできない。これはなぜだろう?」というものでした。

 で、今回お客さんからお聞きしたのは、「オートマチックの車の場合、運転席に座っているときは右足でペダルを踏む。だから体重は左おしりに掛かっている。だから左おしりに激しい癒着ができるのでは?」とのことでした。――ナルホド、言われてみればそうかも。つまり通常の状況ではシートベルトはあまり問題にならない、ということですね。


 私は車に乗らないので実感できませんが、想像する限り、運転姿勢って結構しんどそうな恰好のような……。こらえ性のない私には、長時間の運転は無理な気がします(って、そもそも運転できないので、時間に関わらずダメですが)


 ちなみに、その時の記事に書いた「太ももの前側と骨盤の前面から癒着の見つかったお客さん」は、結局、その後の施術で左おしりの癒着も剥がす必要が出てきました。
 単に作業手順として先に骨盤前面が施術できただけのことで、おしりにはおしりの癒着がきっちりありました。

 やはり、ムチウチの主題はおしりの癒着、というのが今回の結論です。


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