のぞみ整体院
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整体・身体観 15

120403 武道の授業がそろそろ開始と聞いて思い出したこと

 1ヶ月ほど前、体育教員のお客さんから武道の必修化に関連して、「あなたなら何を選択しますか?」と訊かれました。
 選択って剣道、柔道、相撲からでしたっけ、と確認した上で私が「相撲」と答えると、お客さんは意外な顔。でもそのときの私には相撲しかないな、という感じでした。
 だって、相撲には「四股(しこ)」があるからです。

 ひとりで足を上げ下げするだけの四股なら、おそらくケガは起こりません。そして(あまりかっこよくはないけれど)鍛錬法としての効果は抜群です。

 もともと私は、「重心の安定を狙うなら、タントウ功(中国武術定番!)か四股でしょう!」と信じる種類の人間です。というかそれ以外の仕方では、重心の安定はうまくは鍛えられないのではないかしらとまで思っています。

 ですから、「授業は毎回、1時間みっちり四股を踏むだけ。生徒から苦情が出ても実践的な練習は一切させず、「基本が大事」とか懇々と説いて、ひたすら、延々、四股だけ踏ませます」。(※そんな授業ができるかどうか、私は知りません。あくまで個人的な野望です。)
 鼻息荒くそう答えると、お客さんは納得してくれました。

 そして、一言、「もっと早くにそれを聞いていれば良かったです」。
 それを聞いて私は、「それなら早くに訊いてもらわなきゃダメでした。自分ひとりでは“私なら何を選ぶか?”なんて考えもしませんでしたから」。


 ――数日前に新聞で「この春から武道の授業開始」の告知を目にして、ふと、以前したそんな会話を思い出しました。
 どうぞ、どなたもケガなさいませんように……。


120508 “発達障害”について思うこと、教えてもらったこと。

 いわゆる“発達障害”とよばれる状態の、少なくとも一部は、身体の落ち着きの悪さ――もっと言えば、思い通りに動かない身体の、極端な不器用さが原因である、というのが私の仮説です。
 しんどい子どものなかには、心とか発達とかではなく、純粋に筋肉とか皮膚の問題、身体の動かしやすさ・使いやすさの拙さに困っている場合があるんじゃないか。そしてそうであれば、整体にもできることがあると思う――。

 と先日、友だちにそんな話をしていると、「こないだ偶然、同じようなことを言っている人に出会ったわ」。
 教育関係に詳しいその友だちは、その方(仮にH氏)の考えを教えてくれました。

 残念ながら又聞きな上にご本人の了解も取っていないので、その内容をここに書くことはできません。もしかするとH氏のオリジナルとかではなくすでに有名な仕方なのかもしれませんが、それは確認しないまま、内容には触れないことにします。




 H氏も私も、注目するのは、神経や筋肉がつくる全身的なつながりです。けれど、その先の理屈や実際の改善方法となると、2つはまったく似ていません。

 私が注目するのは、身体に加えられる「外からの影響(=ケガ)」です。
 H氏が注目されるのは、より純粋で正統な意味での「発達のしくみ」です。
 これらはまるで、中国医学でいうところの外因と内因で、まったく逆方向の捉え方といえます。

 また、H氏の仕方が、普遍的で一般的な発達の不具合、あるいは順当な発達の引っかかりを解除する仕方であるとするなら、一方で、私がする仕方は、ひとりひとり異なる、具体的な身体の不具合を修理・回復する仕方だといえます。




 おそらく、H氏の仕方で改善する子どもと、私の仕方で改善する子どもとでは事情がまったく異なるのでしょう。
 完全にちがう筋道で“発達障害”を考え、完全にちがう仕方で改善方法を組立て、そしてそのどちらもが(私にとって)説得力があるというのは、すごいことです。知らぬ間に狭くなっていた視界が一気に開け、気分は爽快、大興奮でした。

 しかもさらに嬉しかったのは、H氏の仕方で理解すると、「“発達障害”がこのところ増加しているのはなぜか」という全体傾向についての疑問が解決することです。
 私の仕方では、ひとりひとりの事情は理解できても、全体的な傾向は納得できません。きっと、もうひとつ別の事情があるはずなのだけど……と不思議だったのです。

 それが、おかげで、いろいろなことが腑に落ちました。
 結論として言えるのは、子どものケガに気をつけること、小さいうちから思う存分、身体を動かし、さまざまなものに触れ、運動と感覚の経験を十二分に重ねておくこと、それが大事ということです。結局、大切なのは“生き物”(原始的な意味で)として極々自然なことなのだ、と、私の納得は至ってまっとうなところに落ち着きました。


120521 太極拳? まだしてます。

 あまりにも太極拳の話題から遠ざかっていたせいで、先日お客さんから「太極拳はもうやめたのですか?」と訊かれてしまいました。……え? いえいえ、まだ続けてます。一応。

 返事の歯切れが悪いのは、相変わらず、変化の説明しにくい状態が続いているからです。
 太極拳も施術も、変化の具合はおもしろい。が、説明はしにくい。そんな状態です。




 とりあえず、今年の2月、3月から注意され続けているのは「全体的に動きが速すぎる」点です(ただしこれはいまに始まったことでなく、太極拳を始めた当初からの私の悪癖です)

 たとえば手の動きであれば、太極拳では、「胴体⇒肩⇒肘⇒手首⇒指先」と、順々に力を伝えなければなりません(ちなみに足なら、「胴体⇒股⇒膝⇒足首⇒指先」の順)
 ところが私の場合、胴体がうまく動かせません(おそらく、原因は子どもの頃のムチウチです)。しかたがないので、「胴体⇒」を飛ばして「肩⇒」から始めます。肩甲骨を、背骨を土台に動かすのでなく、肋骨を土台に動かすイメージです。


 ところがこの仕方では、動きのなかで胴体と手足がつながりません。いわゆる「勁(けい)が切れた」状態です。
 そしてこれでは、“太極拳”になりません。全身の力(=体重)が攻撃に使えないからです。

 先生からは、「動きが速い」と指摘され、「手の前にまず身体!」と注意されます。が、実際問題にされているのは速さよりつながりの悪さです。
(余談ですが、1人目の先生はこの状態について、「足の前にまず身体!」と注意されていました。ほぼ同じことを指摘して、「手」と「足」の違いが出るところがおもしろい……)




 問題は、動きの速さでなく、胴体の動かなさ。
 それを意識した上で、「当たり前にすると早くなる動きを、(意図的にゆっくりするのではなく)当たり前にしていてもゆっくり動くようするにはどうするか」を考えます。

 先生からは「身体(胴体)が動いていない」とはっきり言われているので、まずするべきは胴体の施術です。
 が、これがなかなか難しい(!)。あっちに施術をしたらこっちに症状が出て、こっちの具合を良くすればそっちがおかしくなって、と症状と施術がずるずるつながって一段落しないのです。

 そうこうするうち経過はどんどん複雑になり、自分でも何がどうなってこうなったのか、細かい流れを忘れました。
 それで、変化はしているけれどそれをブログに書くことはできませんでした。


120528 出張整体 2回目

 5月15日に、2回目の出張整体に行ってきました(厳密には3回目)。主催者、場所とも前回(120212)と同じです。
 が、今回は、前回と決定的に違うことがありました。それは、ベッドを運ばなくて済んだ(!!)ことです(Tさんありがとうございますッ!!)

 前回は、駅まで運んで電車に乗って、到着駅からはお迎えの車で運搬――という仕方を採りましたが、これがなかなか一仕事でした。
 もちろん、私が自分で「自力で運搬してみたい」と言ってしたことなので、文句はありません。が、それがどれほど大変なことかはよく分かったので、2回目は無理かなあ、と正直、思っていました。

 ところがひょんなことから、主催者のお友だちのTさんがマッサージ用ベッドをお持ちなことが分かり、それを貸してくださることになったのです!
 お陰で、2回目の出張が実現しました。




 前回のお客さんは「大人+青少年」。今回は、「大人+子ども」。大人のお客さん以外に、10才未満の子どもさんが2人、来てくれました。

 子どもの整体、というと意外に思われるかもしれませんが、子どもの身体にも問題は生じます(それが夜泣き、疳の虫などの樋屋キオーガン的症状の原因になる場合がある)

 原因の多くは、出生時の事故(へその緒関係が多い)や生誕にからむ手術(身体の作りそびれ・作り損ないに対する形成術など)、育児中の事故(転落その他)などに関係しています。
 子どもが成長すると、当然、活動の量・内容が豊かになるので、原因に、身体操作が未熟なためのケガ(転倒、火傷、切り傷・擦り傷・打ち身の類)が追加します。

 もちろん、そのどれであっても、施術がうまくいけば状況は改善していきます。子どもへの施術は、成長期の手前で改善できることが何よりの魅力です。
 ただし、子どもだから整体が簡単とか状態が単純とかそういうことはあまりなく、却って、一般的な大人(というのも漠然とした言い方ですが)より大変な状態、深刻な状態に陥っている場合は少なくありません。




 初回とか2回目の出張では、新しいお客さんが続きます。立て続けにいろいろな話――あそこが痛い、ここがおかしい、ここに古傷がある、こんな手術をした、事故をした、と聞かせてもらっていると、つくづく、「整体の良いところは大人、子ども、症状の区分をあまり問わずに“人体”を相手にできることだなあ」と感じます。
 内科、外科、整形、耳鼻咽喉、小児、泌尿器、胃腸に眼科などなど、細かい区分けを飛び越えて、ごちゃ混ぜに身体を考えるのが、やはり私は好きなようです。



 今回も、出張にあたってたくさんの人たちにお世話になりました。主催者はもちろん、ベッドを貸してくれたTさん、お客さん、その周囲の方々……。どうもありがとうございました。
 また、ご縁があったら、機会があったら、どうぞ施術の続きをさせてください。


120607 じんましん? アトピー?

 4月中下旬頃のある日から、突然かゆみが出てきました。範囲は、左胸、両腕の付け根、背中、体側、両腕、のど、と上半身のほとんど全部に広がっています。

 チリチリッとかゆみを感じてがしがし掻くと、掻いた部分が真っ赤になります。
 何度も掻くうち肌がごわごわになってきて、破れたところからちょっと体液まで染みてきます。それでもなお、かゆさが勝つときはまだ掻けます。痛みを感じる余裕(?)はありません。


 アトピーの人から話には聞いていましたが、この衝動の強さはすごいです。いったいどういう必要から、ここまでのかゆみが起こるのか。――イライラしつつも、興味津々です。

 痛みやこり、だるさの場合は、“原因は血行不良”と理解しやすいです。けれど、かゆみはよく分かりません。
 とりあえず、少なくとも私のかゆみに関しては、乾燥が原因ではなさそうです。皮膚が破けてもまだかゆいし、ワセリンも意味がありません。

 そしてかゆみは、かなり深いところで発生している感じがあります。掻く力は皮膚の奥に、まるで、皮膚を皮下脂肪から引き剥がそうとするかのように、厚く掻き動かします。
 表面を軽く引っかいている感じはありません。虫刺されのときのように、爪で“×”を付けるのも効果なしです。


 実際に自分がかゆくなってみると、以前立てた私の推測「かゆみの原因は皮膚−皮下脂肪間の癒着」は正解のように思えます。
 この推測をより確実なものにするためには、身体のどこかにある皮膚−皮下脂肪の癒着を剥がし、かゆみをなくすことがいちばんです。

 自分のためにも理論のためにも、そしてもちろんかゆみに悩むお客さんのためにも、早く結果を出さなければ! と、がんばってあちこちに施術しています。が、残念ながらあまり改善は見られません。
 個人的には、とにかく暑くなる前に決着させたいと願っているのですが(…)


120610 口の中の施術

 このところ、口の中の施術が好調です。複数のお客さんに施術して、どなたも良い変化が起きています。
 口の中といっても、狙うのは、頬の内側と歯茎です。扱いは、皮膚や筋肉と同じです。歯は触りません。

 施術が必要になるのは、歯茎では主に、「抜歯にからむ傷」と「膿んだところの切開痕」がある場合です。
 頬の内側は、なぜ施術が必要なのかよく分かりません。顔表面のケガに関連した癒着かな、と想像はしますが、あまりがんがん触るわけでもなく、歯茎を施術するついでにおまけのように触る程度です。それでも、しっかり手応えはあります。

 口の中がおもしろいのは、抜歯痕の状態がひとつ良くなった直後から、顔全体の収まりが変わり、そのまま引き続いて全身の施術が急展開することです。
 これは考えてみれば当たり前のことで、下あごの緊張は首の緊張を呼び、首の緊張は全身へと及びます。また、口と肛門、下あごと頭のてっぺんにはそれぞれ深い関係があるので、場所はお互い離れていますが状態は関連し合います。
 施術的にみれば、きっちり歯茎を整えたのにその影響が全身に現われてこないなら、むしろその方が問題といえます。


 以前から私には、「身体の一部分に注意の集中する時期」(=ブーム)がときどき訪れていました。それまでできなかった繊細な操作ができるようになったときとか、それまで知らなかった施術の仕方・必要に気付いたときとか、ブームが起こるのはそんなときです。

 口の中の施術は、たぶん2度目のブームです。1度目のときも画期的で感激したものですが、2度目の今回も、それに劣らずおもしろいです。
 印象でいうと、全般的に、今回の方が変化が劇的なように思います。もしかすると以前のブームではまだキリを使っておらず、今回ほど細かい施術ができていなかったのかもしれません。


 「いやー、整体に来て口の中をいじられるとは思いませんでしたわー、はっはっは」とあるお客さんは笑っていましたが、その笑顔の晴ればれさはもちろんのこと、シュッと通った顔の軸(中心線)の具合に、私は大満足でした。


120619 花粉症報告

 今年は優秀というか何というか、明確に花粉症が出たのは3日間だけでした。5月20〜22日です。
 5月初旬頃から少しだけ鼻がムズムズする時期があって、「いよいよ始まるな」と覚悟していたら何もなく、20日になってどどっと症状が出たかと思ったら23日からぱたっとなくなりました。

 ちょうどこの時期に重なって(といっても4月下旬頃からですが)かゆみが出始めたので、花粉症が軽く済んだのは御の字でした。が、花粉耐性(?)が増したから3日で済んだのか、アレルギー反応が重複したから(?)軽かったのか、単純に花粉が飛んでいなかったからなのか、よく分かりません。それ以外の、私に思いつかない、別の理由が原因の可能性もあります。

 ともあれ、結果的にラクに済んだのはめでたいことです。
 ただ、私がしたかったのは「花粉症が軽く済む」ではなく「花粉症がなくなる、花粉が平気になる」状態の達成なので、その意味ではまだ道半ば。またしても、課題は来年に持越しです。


120623 続・じんましん? アトピー?

 ようやく光が見えてきました! どうやら私のかゆみは、リンパ絡みの癒着が原因だったようです(リンパ−皮膚? リンパ−皮下脂肪? リンパ−リンパ?)

 全身あちこちに施術して、明確な変化を引き起こせたのはおなか、右足首、右首の根っこでした。

 おなかは、へそから胃にかけての真ん中のラインが中心で、足首は、主に外くるぶし(=腓骨)。右首の根っこは、肩と首の境目、いわゆる胸郭出口の首寄りのところです。
 このうち、おなかと首の根っこが、リンパの集中部位に当たります。

 これらの癒着がそれぞれどのケガのときにできたのか、かゆみの原因はズバリどの癒着によるものか。それはよく分かりません。
 可能性としては、子どものときベッドから落ちたこと、小学生のときに頭を打ったこと、誕生時にへその緒を首に巻いていたこと、などがありそうですが、おそらく特定はできないでしょう。それより今の気分は、ともかく結果優先、かゆみがなくなれば万事オッケー、原因なんて二の次、です。

 かゆみの場所が深いこと、かゆみのあるのが両わきと両太もも前側とおなかであること(どれもリンパの集中部位)、そしてかゆみに方向性があること(この方向に掻くと気持ちが良いけどこの方向だと手応えがない)などを考えると、「かゆがっているのはリンパ」というのは、私にはとても納得のいく解釈です。

 これでかゆみがなくせれば、そして同様の仕方で、ほかのお客さんにも良い結果が出せたなら、私的に、かゆみとリンパの関連は「有り」と考えて良さそうです。

 近日中に最終報告できれば、と思います(施術が失敗してたら“最終”報告になりませんから…)


120713 続続・じんましん? アトピー?

 残念ながら、まだ完結編ではありません。私のかゆみはまだ、現在進行形で続いています。
 前回、「かゆみの原因はリンパの癒着かも!?」と自分の思い付きに浮かれ気味だった私も、近頃は、「かゆみの原因がリンパかどうかはともかく、このかゆみが取れないことにはなおもしろくないよねえ」とやや気分を下げています。

 といっても進展がまったくないわけではありません。かゆみの程度・範囲は明らかに小さく、また、かゆみ衝動の起きる頻度も減ってはいます。ただ、かゆみゼロにならない(できない)のが不満なのです。


 施術的な収穫――というか、施術していておもしろかったのは、おしりの筋肉(殿筋群)、太ももの筋肉(大腿筋膜張筋)、左腕の予防接種(BCG?)の痕などです。

 腕や脚、おしりなどの分厚い筋肉を通して大きい骨ぎりぎりのところを施術するのは、お客さんではふつうにしますが、自分の身体にするには難しい作業です。体重を利用することができないからです。
 それが、この頃はかなりごりごり施術できるようになりました。工夫は、キリの握り方を変えたことです。


120726 外反母趾と、3層構造な身体。

 一般的に、外反母趾の原因はハイヒールとの関連で説明されることが多いかと思います。
 ですが私はずいぶん前からこの説に懐疑的でした。というのも、私の左足は中学生の頃から外反母趾だからです。

 周りの人に聞いていみると、よく似た状況の方は割にたくさんいて、私のようにハイヒール未使用な子どものときからそうだったとか、気付いたのは大人になってからだけどふだんの生活でハイヒールを履く機会はないとか少ないとか、そういった話をよく聞きます。

 この方たちにハイヒールについて尋ねると、確かに「履くと痛い」「痛いから履かない」とおっしゃいます。けれどこれもよく聞くと、「外反母趾だから痛い」のであって「だから外反母趾になった」とは聞きません。


 外反母趾の原因がハイヒールでないなら、それはいったい何なのか。
 いまの私の考えでは、原因は、脱ぎ履きできる靴(ハイヒール)ではなくて、脱ぎ履きできない皮膚(!)の窮屈さだろう、ということです。

 言ってみれば、「窮屈な皮膚に圧迫されながらも、骨が、所定の位置に無理やり収まっている状態」が外反母趾です(ちなみにこの解釈は、“変形性関節症”系の変形や症状を理解するときにも応用できます)。

 原因が靴であるなら、きつければやめればいいし、痛ければ脱げばいい。そもそも、足を変形させるほどきつい靴なんて、たとえ子どもでもおとなしくは履き続けられないはずです。

 ですが原因が皮膚なら、四六時中圧迫できるから圧迫感は鈍麻され、また、皮膚の内側で起こる圧迫だから通常の“痛み”とは状況が異なる。そしておそらくは「骨の成長」と「それ以前にできた皮膚の癒着」が関係するので、時間的にゆっくり、徐々に変形が起こり、開始の瞬間に気付けない。

 かなり明確に変形している人であっても、変形の開始時期は知らない、気付いたときにはもう変形していたという方が多いのは、おそらくこのためだろう、と推測しています。


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